自己中本斬り。(仮再び) -12ページ目
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不安な童話/恩田陸



著者: 恩田 陸
タイトル: 不安な童話

某ギタリストさんが、恩田さんを最近お好みらしいので読んでみました。

寝られない・・・。

ホラーは勿論、ミステリー、サスペンス、等等・・・
やっぱり読めないということが改めて判りました。

いや、この作品は全然怖くなく、面白いと思うんですが。
私の想像力と肝の小ささが問題なわけですね。怖がりなわけですね。
抽象的だと思っていた表紙が、読んだ後改めてみてみると、
「ぅわっ」って言ってしまいました。ドキドキしました。

今日はドキドキしないのを読みます。

シュガータイム/小川洋子



著者: 小川 洋子
タイトル: シュガータイム

奇妙な日記。
その日食べた物が延々と書き綴られている。
そんな冒頭を読んだとたん、この本に一気に引き込まれました。
というのも、私自身が、恐ろしい量を食べてしまう傾向があるから。
でも私とは全く違いました。
確かに食べることで頭が一杯になると、過食のそれと同じ気持ちになるようです。
でも、彼女は気分が悪くならないし、吐きもしない。
体型も体重もベストのまま変わらない。
大好きなスーパーマーケットへ行き、隅から隅までゆっくりとまわり、
買い物篭を一杯にする。
食べ物の描写が細部にわたってされており、
食べ物ではなく奇妙な生き物のように思えてしまいます。
それでも物語は淡々と進んでゆきます。
食べ物はどんどん消化されてゆきます。

It(それ)と呼ばれた子/デイヴ・ペルサー


著者: デイヴ ペルザー, Dave Pelzer, 田栗 美奈子
タイトル: “It”(それ)と呼ばれた子 幼年期

予約が入って強制返却だったり、貸し出し中だったり、
ずっと読みそびれていましたが、やっと幼年編を読みました。
何というか、う~ん。すべて著者が体験したことだと思うと。
体中が痛くなって吐き気がしました。
そして改めて思うのです。私は幸せなんだと。
こう書いてしまうと、全くの他人事(そのとおり)ですが。
そう思うことで、ひとにやさしく接することができる気がするのです。

密やかな結晶/小川洋子


著者: 小川 洋子
タイトル: 密やかな結晶

消失が起こった日の朝は、すぐそれとわかります。
空気がざらついていて、島中が静かなざわめきに包まれています。

ある日目覚めたら、「何か」が消失している。
昨日まで読んでいた小説。
これは、何だろう。
「小説、だよ。君が大好きな」
「ショウ、セツ?」

その島から、何かが消えてゆく。ひとつひとつ。
次に消えるのは?
何が消えてもおかしくない。
小説を書いている「私」は思う。「もし言葉が消失したら?」
そして、この体にもいつか訪れる、消失。

切なすぎて、悲しすぎて。
放課後の図書室で、顔を涙だらけにして読んでいました。

カルプス・アルピス/嶽本野ばら



著者: 嶽本 野ばら
タイトル: カルプス・アルピス

何とも不思議な名の、野ばらちゃん最新刊。
もともとは、「カルピス・アルプス」で刊行する筈だったとか。
登録商標使っちゃだめだって言われちゃったそうです、野ばらちゃん。
今「Itと呼ばれた子」読んでるんですが、ヘビィなので息抜きに。
彼の独特の世界観は、時にどろどろしていて重く、時に暖かく軽やか。
今回の作品は、6章から成る比較的短いラブストーリーで、
涙しながら読んでいました。
今までの作品は、直接的でリアルな描写が多く、
時には吐き気を催してしまうほどだったのですが、
幻想的で、暖かく迎え入れてくれて、純粋に涙して、少し切なくなる。
そんな野ばらちゃんの新しい世界を知ることができました。
彼の作品を呼んだことがない人でも、これなら入りやすいかも。
他には「下妻物語」などもお勧めです。本人も「大衆向けの作品」と語っているほどです(^^;)
では、また本の世界にもどります。

シーラという子


著者: トリイ・L. ヘイデン, Torey L. Hayden, 入江 真佐子
タイトル: シーラという子―虐待されたある少女の物語

読みました。外国の本ってあんまり好きじゃないんですが、
やっぱり好きじゃなかったです。
いや、作品自体が好きじゃないわけじゃなくて。
どうしても「訳しました!」って文体を抜け出せないし、文化も違うから、
微妙なニュアンスも分からないし・・・

ってなわけでかなり長い間読んでなかったのですが、
目を通しておこうかな、くらいの気持ちで読みました。

内容については知ってる方が多いと思うんで書きませんが。
とてつもなく怖くて悲しくて、泣いてしまった。
感涙、ではなくて。怖くて泣いてしまった。
それから体調がおかしくなってしまい、しばらくこの手の本はやめておこうと決めました。

だんだん子供を育ててゆきにくい、どう育てていいかわからない、
そんな環境が、そんな親たちが増えている今日このごろ。
親になるまでに大人にならなくちゃ。名実共に。

仮面の告白/三島由紀夫


著者: 三島 由紀夫
タイトル: 仮面の告白

を読みました。重い、重い、胃が痛い。
なんだか痛ましくて。
自分の肉体や精神のこと、愛、人間、男、女、
すべてを分析しようとする視線。
これでもかというくらい並べられた知識。
そして彼自身と重ねあわされた、主人公の貧弱な肉体。

あぁ、切ない。

扱った作品一覧 日本の作品 

あ 

朝香祥     夏嵐
浅田次郎   鉄道員プリズンホテル  

伊集院静   乳房
市川拓司   Separation
糸井重里   言いまつがい
狗飼恭子   冷蔵庫を壊す
上野瞭    アリスの穴の中で
江國香織   東京タワー
小川洋子   密やかな結晶シュガータイムホテル・アイリス
荻原規子   空色勾玉
奥田英朗   イン・ザ・プール泳いで帰れ最悪
乙一       失はれる物語
小野不由美  屍鬼
恩田陸      不安な童話

景山民夫   遠い海から来たCOO
片山恭一   世界の中心で、愛を叫ぶ
金原ひとみ  蛇にピアス
茅田砂胡   デルフィニア戦記
川上弘美   センセイの鞄あるようなないような椰子・椰子
木根尚登   夢の木
京極夏彦   姑獲鳥の夏どすこい(仮)

斎藤薫    「美人」へのレッスン

さくらももこ  ももこのいきもの図鑑
瀬尾まいこ  図書館の神様
瀬名秀明   パラサイト・イヴ
  

嶽本野ばら  カルプス・アルピスロリヰタ。エミリー下妻物語鱗姫ミシン
谷崎潤一郎   痴人の愛/卍/春琴抄/刺青・秘密細雪
辻仁成     アンチノイズ
筒井康隆    農協月へ行く
戸梶圭太    自殺自由法
 

永江朗     恥ずかしい読書
中島らも    空からぎろちん人体模型の夜
中野独人    電車男
梨木香歩    西の魔女が死んだ

林真理子   美女入門文学少女

堀内貴和   マリールー、夏

舞城王太郎  好き好き大好き超愛してる。
三島由紀夫  仮面の告白不道徳教育講座
三田誠広   いちご同盟
村上春樹    海辺のカフカノルウェイの森
村上龍     トパーズ
村山由佳    きみのためにできることおいしいコーヒーのいれ方

唯川恵     人生は一度だけ。
Yoshi      Deep Love  
吉田萬壱   ハリガネムシ



アンソロジー

贅沢な恋人たちLOVERS

外国の作品

トリイ・L. ヘイデン シーラという子
デイヴ・ペルサー It(それ)と呼ばれた子
ポール・ストラザーン  90分でわかるデカルト
ダニエル・キイス アルジャーノンに花束を
ルース・ガネット エルマーのぼうけん
ウラジミール・ナブコフ ロリータ
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