シュガータイム/小川洋子 | 自己中本斬り。(仮再び)

シュガータイム/小川洋子



著者: 小川 洋子
タイトル: シュガータイム

奇妙な日記。
その日食べた物が延々と書き綴られている。
そんな冒頭を読んだとたん、この本に一気に引き込まれました。
というのも、私自身が、恐ろしい量を食べてしまう傾向があるから。
でも私とは全く違いました。
確かに食べることで頭が一杯になると、過食のそれと同じ気持ちになるようです。
でも、彼女は気分が悪くならないし、吐きもしない。
体型も体重もベストのまま変わらない。
大好きなスーパーマーケットへ行き、隅から隅までゆっくりとまわり、
買い物篭を一杯にする。
食べ物の描写が細部にわたってされており、
食べ物ではなく奇妙な生き物のように思えてしまいます。
それでも物語は淡々と進んでゆきます。
食べ物はどんどん消化されてゆきます。