不道徳教育講座/三島由紀夫 | 自己中本斬り。(仮再び)

不道徳教育講座/三島由紀夫

著者: 三島 由紀夫
タイトル: 不道徳教育講座

ひっさんびっさんに本を読み終わりましたとさ。最近の主な読書時間は電車の中。相方のベッドの中。そんなもんなので読み進めるのが遅い遅い。忙しいんですよけっこう。

で、こんな本です。いつもは新潮文庫から読みたいのをチェックするんだけれど(Yonda?グッズが欲しいのん)、何故か角川文庫の棚へ。目が吸い寄せられたのがこれ。この文字に反応するあたしの目をどうかと思うけれど気にしない。

 

三島さんが語る不道徳は、「不道徳」と言うより「既に常識となっている不条理」と言ったほうがしっくりくるかも。実際最終章で、途中から「道徳講座になってしまったキライがある」と述べている。子どもの頃から「道徳」側にいるよう育てられた人がぶつかる不道徳や不条理、そういうものを受け入れて、自分の愉しみとして生きること。その方法を書き連ねてる、かな?これを読んだら生きるのがとっても楽になる。読みながら「あぁ」と納得してしまった。

 

でも、中高生が読むべき本じゃない気がするかなぁ。ワイセツなことが書いてあるから、とかそういうんでなく、社会や大人との衝突っていうのは、まずは自分で悩むべき問題だから。そういう時期を経て読んで、初めて納得できる気がする。

あたし自身、もっと早く読んでいればあんなに悩まなくて済んだ、もっと楽になれた、そう思うけれど、あの時期があったからこそ、「この本に会えて良かった」と思えるんだろうなぁ。


時代は違えど、まったくそんなことを感じさせずすんなり受け入れられると思います。

うーん、違うかな。今書かれたものでないからこそ、すんなり受け入れられるのかも。